著者：株式会社A.S.T

「車検の座席はどこまで基準を満たせば合格できるのか」「ヘッドレストやシートベルトの状態、カバー装着のままで本当に大丈夫なのか」と不安に感じていませんか？

実は、車検では座席の構造や装着状態、シートベルトやヘッドレストの有無・機能まで細かく検査されます。国土交通省が定める技術基準や安全要件は年々厳格化されており、ちょっとした“うっかり”や自己流のDIYカスタムが不合格の原因になるケースも少なくありません。

たとえば、後部座席の荷物の積みっぱなしや、シートの交換・取り外し、カバーの種類によっても合否が分かれることがあります。最新の基準や注意点を知らずに車検に臨むと、追加費用や再検査が発生するリスクがあるため要注意です。

この記事では、実際に車検に通るための座席やシートベルト、ヘッドレストの基準、構造変更の手続き、カスタム時の注意点まで、現場で役立つ具体的なポイントと最新動向をプロ目線で徹底解説します。

車検における座席の基本基準と安全要件

車検 座席 基準と法的根拠を徹底解説

車検で合格するためには、座席の設置や構造が国土交通省の「自動車の保安基準」に適合していることが不可欠です。特にシートの固定状態や強度、脱着の有無、リクライニング機構など細部まで細かくチェックされます。座席の破損やガタつき、改造された状態は不合格の大きな要因となるため注意が必要です。

多くの車両では、全ての座席がしっかりと車体に固定されていることが求められます。例えば、後付けやDIYで取り付けたシートの場合、保安基準適合証明書や強度証明書が必要です。こうした書類が揃っていない場合、たとえ見た目が良くても合格できません。

下記のチェックリストを参考に、事前の確認を徹底しましょう。

チェック項目	合格のポイント	注意点や書類
座席の固定状態	ぐらつきや異音がない	固定ボルトを確認
座席の強度	体重をかけても変形しない	改造時は強度証明書
座席の形式	正規品・純正品	社外品は適合性要確認
取付位置	運転操作の妨げがない	レール改造は注意

座席及び座席取付装置の技術基準のポイント解説・必要な書類や注意点

座席取付装置の技術基準では「シートが運転中に動いたり、脱落したりしないこと」「事故時に乗員を確実に保持できること」が求められます。特にバケットシートやレカロシートなど社外品を装着する場合、メーカー発行の強度証明書や適合証明書の提出が求められるケースが多いです。

また、座席の交換や取り外しを行った場合は、構造変更手続きが必要な場合があります。書類不備や証明書の未提出は不合格の原因となるため、必ず事前にディーラーや整備工場で確認しましょう。

車検 座席 シートベルトの要件と厳格化動向

シートベルトは車検合格の大前提です。運転席・助手席・後部座席のいずれも、「シートベルト装着義務」があり、未装着や故障は即不合格となります。近年では後部座席にも3点式シートベルトが義務化された車種が増え、年式によっては2点式でも合格となる場合もありますが、国の保安基準に従うことが大切です。

特に後部座席のシートベルトが破損・劣化している、またはシート交換時にベルトが正しく設置されていない場合は、必ず修理や純正部品への交換を行いましょう。

シートベルト未装着時の影響・3点式/2点式対応の違いを明確化

シートベルト未装着での車検は絶対に合格しません。とくに3点式（肩と腰で固定）の場合、座席ごとにベルトの有無・動作・損傷の有無を厳しくチェックされます。年式によっては2点式（腰だけ固定）でも認められることがありますが、新しい車両では3点式が標準です。

• 合格例：純正シートベルトが正常に作動し、取り付け位置・長さ・強度が基準を満たしている
• 不合格例：ベルトが切れている・ロック不良・取り付け不良・社外品で証明書なし

シートベルトの状態や形式に不安がある場合は、検査前に必ず整備士や専門店で点検しましょう。

後部座席 ヘッドレストの有無と車検合格の条件

ヘッドレストは後部座席でも重要な安全装置です。現在の保安基準では、ヘッドレストが標準装備されている車両は外れていたり、紛失していると不合格になります。特に後部座席のヘッドレストは、後方からの追突時に乗員の首へのダメージを軽減するため不可欠です。

ヘッドレスト紛失・代用品利用時の注意点やよくある誤解

ヘッドレストを紛失した場合、純正品以外の代用品で車検を通そうとするケースがありますが、適合しない社外品や自作パーツでは不合格になる可能性が高いです。必ず車種ごとの純正ヘッドレストを装着し、しっかりと固定されているかを確認しましょう。

また、ヘッドレストの高さや角度調整機能も正しく作動する必要があります。故障や固定不良の場合も落第理由となるため、検査前の点検が重要です。

車検に通るためには、座席・シートベルト・ヘッドレストすべてが正常であることが求められます。安全面だけでなく、無駄な費用や再検査を防ぐためにも、事前のセルフチェックと整備を徹底してください。

車検で座席を取り外す際の規定と構造変更申請の流れ

車検 座席 取り外し可否と合法的な方法

車検時に座席を取り外した状態で通すことは、基本的に認められていません。自動車の座席は「座席及び座席取付装置の技術基準」で定められており、指定された乗車定員分の座席が正常に装着されていない場合、車検に合格することはできません。ただし、キャンピングカーや特殊用途車両のように、構造変更の申請を行い乗車定員を減らす場合には、合法的に座席の取り外しが可能となります。

自己判断で座席を取り外して走行した場合、「保安基準不適合」や「不正改造」とみなされ、車検のみならず公道走行自体が違法となるおそれがあります。特にシートベルトやヘッドレストが欠落している場合は、安全性を大きく損なうため厳重な注意が必要です。合法的な方法としては、構造変更申請を行い、管轄の運輸支局で正式な手続きを踏むことが挙げられます。

シート取り外し 構造変更 必要なケースや違法例の具体解説

座席を取り外す際に構造変更申請が必要となる主なケースは以下の通りです。

• 乗車定員を減らす場合（例：後部座席を外し2名乗車仕様にする）
• 商用バンや貨物車に改造して荷室を拡大する場合
• 車中泊仕様やキャンピングカー仕様に内装を変更する場合

逆に、乗車定員や座席数に変更がないにもかかわらず、座席を一時的に取り外して車検を受ける行為や、強度証明書がない社外シートへの交換は違法となる可能性が高いです。

違法例

• 構造変更手続きをせず座席を外した状態で車検を受ける
• シートベルトやヘッドレストが欠落したままの状態で走行する
• 商用車や4ナンバー車で乗車定員を減らさずに座席を外す

必ず「構造変更」の届け出を行い、書類や車両の状態が基準を満たしているか確認しましょう。

構造変更 乗車定員の変更と費用・書類手続き

構造変更で乗車定員を減らす場合、まず運輸支局での手続きが必要です。申請時には下記の書類が求められます。

手続き内容	必要な書類例	補足事項
構造変更申請	構造等変更検査申請書、車検証、印鑑、手数料納付書	申請書類は運輸支局で配布
強度証明書	社外シートの場合、メーカー発行証明書	必要に応じて追加資料を提出
保険変更手続き	自動車保険証券、変更申請書	乗車定員変更時は必須

費用は、構造変更自体に約2,000円～5,000円、ディーラー等に依頼する場合は10,000円以上かかることもあります。さらに、乗車定員を減らすと自動車保険や税金の区分が変わる場合があるため、保険会社への届け出や保険料の再計算が必要です。

2名乗車 構造変更 費用・必要な書類・保険の注意点

2名乗車へ構造変更する場合、座席取り外し後に定員変更申請を行い、車検証の記載内容が「2名」へ変更されます。必要書類は前述の構造変更申請書類に加え、場合によっては写真や図面の提出も求められます。

• 構造変更後は自動車保険の契約内容変更も必須
• 保険会社によっては追加手数料や、補償範囲の変更が発生する場合がある
• 税金区分や車検の有効期間が変わる場合もあるので要注意

事前にディーラーや保険会社に相談し、必要な書類や費用を確認しておくとスムーズです。

軽自動車・バン・プロボックスなど車種別の座席取り外し注意点

車種によって座席取り外しや構造変更の条件は異なります。軽自動車やバンタイプでは、荷室を拡大するためにリアシートを取り外すケースが多いですが、構造変更手続きを経て定員を減らす必要があります。

商用バンやプロボックスでは、4ナンバー化や貨物登録を目的に座席を外すことがあります。ただし、車検証記載の用途や定員、荷室寸法など細かな基準があるため、自己判断で座席を外すと保安基準不適合となるリスクがあります。

車種例	主な注意点
軽自動車	構造変更しないと定員減は不可。保険・税額も要確認
商用バン	貨物用途への変更は荷室長さ・積載量など基準を厳守
プロボックス	荷室拡大目的でも定員変更と構造変更申請が必要

ハイエース・4ナンバー等特殊用途車両の規定

ハイエースや4ナンバー（貨物車）などの特殊用途車両は、座席の取り外しや乗車定員の減少が比較的多く行われる車種です。貨物車の場合、貨物スペースと乗員スペースの区分や荷室寸法、積載可能重量など、細かい規定が定められています。

• 4ナンバー車は荷室長・高さ・幅などの基準が厳格
• ハイエースのキャンピング仕様は座席やベッド設置位置に注意
• 構造変更時は現物確認や写真提出が求められることも多い

このような車両で座席を取り外す場合も、必ず構造変更手続きを行い、検査官の確認を受ける必要があります。基準を満たさない場合は、車検不合格や公道走行不可となるため、手続きや規定の詳細を必ず事前に確認してください。

車検時の座席カスタム・交換・社外シート装着の注意点

バケットシート/レカロシートの車検対応条件

スポーツ走行や快適性向上を目的にバケットシートやレカロシートへ交換するユーザーは多いですが、車検時には厳格な基準が設けられています。まず、装着するシートが自動車の保安基準に適合していることが絶対条件です。形状や固定方法、リクライニング機能の有無などが審査対象となり、純正以外のシートは強度証明書の提出が求められる場合があります。特に4点式や6点式ベルト専用のフルバケットシートは、年式や車種、用途により適合可否が分かれるため要注意です。座席の高さや前後位置の調整機能も審査されるため、装着前に必ず仕様を確認しましょう。

保安基準・強度証明書類・年式別のポイント

最新の車両では、エアバッグやシートベルト警告灯などの連動機能も重要視されています。シート側にエアバッグが内蔵されている場合、社外シートへの交換でエアバッグ機能が失われると車検不合格となることがあります。また、強度証明書はメーカーや販売店で発行されることが多く、提出がない場合は車検対応不可となる事例も。

年式による基準の違いも押さえておきましょう。旧車や一部の貨物車は緩和規定が適用されることもあり、事前に車検場や整備工場へ相談するのが安全です。

シートカバー 車検 合否の境界と選び方

シートカバーは車内の保護やドレスアップ目的で多くの方が使用していますが、素材や取り付け方によっては車検で不合格になる場合があります。特に、エアバッグ対応車種の場合、シートカバーがエアバッグの作動を妨げる構造になっていると車検不合格となります。また、シートベルトの通し穴がないタイプや、座席のラベルや警告表示を隠してしまうものも注意が必要です。

メリット・デメリット比較とおすすめ素材

シートカバーの主なメリットは、座席の保護や清掃の簡易化、好みのデザインを楽しめる点です。一方で、合成皮革や厚手の素材は通気性が悪く、長時間の運転で蒸れやすいというデメリットもあります。エアバッグ対応の専用品や、難燃性素材のカバーを選ぶことで安全面と合格率の両立が可能です。

おすすめは「車種専用設計」「エアバッグ対応」「難燃性」などの記載がある製品です。購入前に必ず仕様を確認し、座席機能や安全装置を妨げないものを選びましょう。

車検時の座席と荷物の扱い、トランクの検査ポイント

車検 後部 座席 荷物 乗せっぱなしの可否と注意点

車検を受ける際、後部座席に荷物を積んだままで問題ないか気になる方は多いです。基本的に車検では「車両本来の機能や安全性」が重要視されるため、荷物が常時積載されているとシートベルトやシートの状態が確認できない、座席の安全機能や装着状況の検査ができないなど、検査官の判断で指摘されることがあります。

特に、以下の点に注意しましょう。

• シートベルトやヘッドレストが荷物で隠れている場合は、必ず見える状態にしておくこと
• 座席が正常に装着されているか分かりにくい大きな荷物は、車検前に降ろしておくこと
• 荷物が安全基準に影響する、または車内の視界を妨げる場合は不合格となることがある

荷物の種類や量にもよりますが、検査時にトランクや後部座席の荷物の「一時的な移動」を求められるケースも多く見られます。日常的にカー用品やチャイルドシート、アウトドア用品などを積みっぱなしにしている方は、車検前に整理・撤去しておくことが確実な合格への近道です。

トランク開ける場面・荷物入れっぱなしによる影響

車検時にはトランク内の検査も実施されます。トランクの状態やスペアタイヤ、工具などの装着状況を確認するため、検査官がトランクを開ける場面があります。荷物がぎっしり詰まっている場合、スペアタイヤやジャッキなど保安部品の有無・状態が確認できず、再検査となることがあります。

また、荷物の重さや積載方法によっては、車両重量や積載基準を超えてしまい不適合となる場合もあるため注意が必要です。特に業務用車両やバンタイプでは、荷物の積みっぱなしが合否に直結するケースもあるため、検査前に荷物を整理し、必要な備品はすぐ確認できるようにしておきましょう。

リストで「車検時の荷物に関する注意点」をまとめます。

• シートやベルト、ヘッドレストがしっかり見えるよう荷物を降ろす
• トランク内は保安部品をすぐに検査できる状態とする
• 積載量の基準や車両重量に注意する
• 荷物が安全装置や視界を妨げていないか確認する

車検時の座席を倒したままの状態で通るか

座席をフラットに倒したまま車検に出すケースも少なくありません。この場合、車検の合否は「座席本来の安全機能や装着状態が適切に確認できるか」によって判断されます。

• リアシートがフルフラットや倒したままの状態であっても、「座席とシートベルトが本来の位置に設置でき、正常に使用可能」であれば合格となるケースが多いです。
• ただし、座席を倒したままではシートベルトやヘッドレストの装着状態が確認できない場合、不適合と判断される可能性もあります。
• 特に、座席の固定が甘くなっていたり、座席やベルトに改造・破損があると、不合格となるリスクが高まります。

後部座席 倒したまま 車検の合否事例と安全上の理由

後部座席を倒したままの状態で合格した実例は、「座席を元に戻して検査できる状態にした」「シートベルトやヘッドレストの確認がスムーズだった」場合が多いです。一方で、座席を外す・固定できない・シートベルトが使えない状態では不合格となることがほとんどです。

安全上、万が一の事故時に乗員の保護性能が損なわれるため、検査官はシートの固定や安全装置の機能を厳しくチェックします。DIYで座席を取り外したり、荷物のためにシートを外したままにするカスタマイズは、構造変更の申請や追加の手続きが必要になる場合もあります。

座席を倒したまま車検を受ける場合も、検査時には必ず元の位置に戻しておき、シートベルトやヘッドレストが正しく装着されているかを事前に確認することが重要です。安全で確実な合格を目指すなら、面倒でも座席と荷物の準備に手を抜かないようにしましょう。

座席関連の車検落ちやすいNG事例と通すための対処法

座席の破損・劣化・不適切な取付のNGパターン

車検では、座席の状態が安全性に大きく影響するため、破損や劣化、不適切な取り付けが見つかった場合は不合格となることがあります。特に以下のようなポイントが検査でチェックされます。

• 座席のシート自体や背もたれ、座面に破れや穴、クッションの著しい劣化がある
• 座席がガタつく、固定が不十分
• 座席の取付ボルトやナットの緩み、欠品
• DIYで座席交換や取り外しを行った際の強度不足や固定不良

こうした状態は、万が一の事故時に乗員の安全を損なうリスクがあるため、厳しくチェックされます。

シートレール・強度不足・座席外しなどの代表例

シートレールや座席の取り付け部分は車検時に特に確認されるポイントです。

NG事例	内容の詳細	合格のための対策
シートレールの錆・破損	サビや変形、溶接部の割れなどがある	専門業者で修理・交換し、車両ごとの適合品を使用
社外レールやDIY改造	強度証明書がない場合や不適合な部品での取付	保安基準適合証明書を用意し、純正互換品を選ぶ
座席の取り外し状態	構造変更手続きがされていない、ボルト穴がそのまま残る	必要に応じて構造変更申請やカバー装着を行う

座席の強度や固定に問題があると、保安基準に適合しないと判断されます。交換や修理の際は、必ず適合部品を選び、強度証明書が必要な場合は事前に準備しておくことが重要です。

シートベルト・ヘッドレスト・カバー関連の不合格事例

座席本体だけでなく、シートベルトやヘッドレスト、シートカバーも車検合否のポイントとなります。

• シートベルトが破損・劣化している、リトラクター（巻き取り装置）が正しく作動しない
• 後部座席のヘッドレストが欠品、または純正以外で固定が不十分
• シートカバーが適合外（エアバッグ非対応、固定が不十分など）で安全性を損なう場合

これらの不備があると車検に通らないことが多いです。

紛失・非対応品・適合外パーツの影響

不合格事例	詳細と対処法
シートベルトの紛失や非純正品の装着	純正または適合認証品に交換し、必ず動作確認を実施する
ヘッドレストの紛失・固定不良	純正品または車種対応品を正しく装着し、しっかり固定されているか確認する
シートカバーの適合外や装着ミス	エアバッグ対応品や車種専用設計のカバーを選び、ずれやめくれがないよう正しく装着

特にヘッドレストやシートベルトは、事故時の安全装置として非常に重要な役割を担います。検査前にこれらの部品がしっかり装着されているか、機能に問題がないかを必ず確認しましょう。

強調ポイント

• 座席や付属部品の破損・劣化・不適合は車検不合格の主因になる
• 交換やカスタム時は必ず保安基準適合品・強度証明書付きの部品を選ぶ
• 検査前に必ず各部の状態を確認し、必要に応じて修理・交換を行う

こうしたポイントを押さえておくことで、車検時の思わぬ不合格や追加費用の発生を防ぐことができます。

構造変更と保険・登録情報への影響まとめ

構造変更 乗車定員 減らす場合の保険・登録変更手続き

乗車定員を減らす構造変更を行う場合、車検証の「乗車定員」欄が変更されるため、自動車検査登録事務所での手続きが必要です。構造変更申請は、定員を2名や4名に変更するケースや、バン・ワゴン車でリアシートを外す場合などに求められます。必要書類や手順は下記の通りです。

【構造変更時の主な提出書類とポイント】

書類名	内容・注意事項
構造変更申請書	車検証情報に基づき、変更内容を正確に記載
車検証	現在の車検証を持参し、変更後の内容で新たに発行される
警察署発行の車庫証明	乗車定員が大幅に変わる場合は再取得が必要な場合あり
変更理由書	シートを外す目的や安全性確保への配慮を具体的に記載
保安基準適合証明	特殊なシート（社外・バケット等）装着時や安全基準に関わる場合は必須
その他	必要に応じて強度証明書、DIY作業の場合の写真等

手続きには申請手数料や登録費用が発生します。費用は数千円～1万円前後が一般的ですが、事務所や手続き内容によって異なります。構造変更後は保険会社にも必ず連絡が必要です。なぜなら、乗車定員が変更されると自動車保険の補償範囲や保険料が変動するためです。手続きを怠ると、万一の事故時に補償が受けられないリスクもあるため、速やかに届け出ましょう。

書類の記入・費用・保険適用範囲の変更点

構造変更の書類は、各項目を正確に記載し、変更内容（例：後部座席取り外し、バケットシート装着など）を明記します。書類不備があると手続きが進まないため、疑問点は事前に管轄の運輸支局やディーラーに確認するのが安心です。

費用については、手数料や検査費用のほか、必要に応じて専門業者への依頼料がかかることもあります。自分で行う場合はコストを抑えられますが、書類準備や安全基準の確認に手間がかかるため、時間や労力とのバランスを考え選択しましょう。

保険会社への連絡も重要なポイントです。定員減少や車体構造の変更を伝え、必要に応じて保険内容を見直すことが、トラブル防止につながります。

構造変更のメリット・デメリットと手続き方法

構造変更による主なメリットは、用途やライフスタイルに合わせて車両を最適化できる点です。たとえば、荷室スペースの拡大や、キャンプ・車中泊仕様、商用バンへのカスタムなどが挙げられます。一方で、デメリットも存在します。

【構造変更のメリットとデメリット】

項目	内容
メリット	・荷物スペース拡大 ・保険料減額の可能性 ・使い勝手向上
デメリット	・再構造変更や復元が手間 ・車両売却時に制約 ・違法改造と誤解されやすい

手続きの流れは、まず運輸支局での事前相談が推奨されます。準備書類を揃え、所定の申請用紙に記入の上、車両を持ち込んで検査を受けます。DIYで対応する場合は、保安基準や強度証明などを十分に確認しましょう。専門業者やディーラーに依頼すれば、申請や検査まで一貫してサポートを受けられます。

ディーラー・ユーザー車検の対応の違い

ディーラー車検は、プロによるサポートや書類作成、基準適合の確認まで任せられるため、安心感があります。費用はやや高めですが、初めての構造変更や複雑なカスタムの場合には特におすすめです。

ユーザー車検（持ち込み車検）は、自分で全ての手続きを行う分、コストを抑えられるのが魅力です。ただし、保安基準への適合や書類準備、不合格時の再検査リスクもあるため、事前準備と情報収集が不可欠です。自信がない場合は、部分的に専門業者へ依頼する選択肢も検討しましょう。

このように、構造変更には多くの手続きや注意点が伴いますが、正しい知識と手順を踏めば、用途に合った車両運用が可能になります。

車検座席まわりの最新動向と年式別注意点

シート 保安基準 年式による違い

自動車の座席に関する保安基準は、車両の年式によって適用範囲や内容が異なります。基準は順次見直されており、特にバケットシートやレカロシートなどの社外製品を装着する場合、最新の基準を正しく理解しておく必要があります。

年式による主な違いは、シートベルトの取付方法、ヘッドレストの有無や高さ、座席の固定方法などです。例えば、古い年式の車は2点式シートベルトでも認められることがありますが、近年の車両は3点式シートベルトが原則です。2024年の基準では、座席の交換やカスタマイズを行う際、強度試験成績書や保安基準適合証明書の提出が求められるケースが増えています。

特に注意したいポイントは以下の通りです。

• 年式ごとのシートベルト義務範囲
• ヘッドレストの必須条件や高さ
• バケットシート・セミバケットシート装着時の証明書類

これらを満たしていないと、車検時に不合格となる可能性が高まります。必ず事前に自車の年式に合った基準を確認し、必要な書類やシートの状態を点検しましょう。

バケットシート/セミバケットシートの年式別規定

バケットシートやセミバケットシートを装着する場合、年式ごとに求められる基準が細かく分かれます。近年は、純正シート以外を装着する際、強度証明書や型式認定をクリアしているかどうかが特に重要です。

• 2012年以降に製造された車両では、シートの強度・固定方法が厳格化
• バケットシート装着時は、保安基準適合証明書や強度証明書が必要
• セミバケットシートも、シートレールや取付金具の適合が必須

下記の表で、年式ごとの主なチェックポイントをまとめます。

年式	シートベルト要件	ヘッドレスト要件	バケットシート装着条件
2000年以前	2点式も認められる場合有	必須でない車種あり	強度証明が推奨
2001～2011年	3点式が推奨・必須化進行	高さ・形状に基準有	強度証明・型式認定が望ましい
2012年以降	3点式義務・取付厳格化	必須・高さ指定厳格	強度証明・適合証明・シートレール適合が必須

このように、年式が新しくなるほど求められる基準が厳しくなります。社外シートやDIYによる交換を検討している場合は、必ず年式別の基準を確認し、必要な証明書類を準備しましょう。

今後厳しくなる可能性のある法改正・制度動向

近年、自動車の安全基準は国内外で強化傾向にあります。特に、車検時の座席やシートベルト、ヘッドレストに関する基準は、利用者の安全確保を目的に段階的に見直しが進められています。

これから想定される動向としては、

• シートの強度や固定方法に関する基準のさらなる厳格化
• 乗車定員の変更や座席取り外し時の構造変更手続きの厳格化
• バケットシート・セミバケットシートの適合証明書提出義務の拡大
• 後部座席のヘッドレストやシートベルト未装着時の罰則強化

などが挙げられます。特に、事故時の被害軽減を目的とした基準強化の流れは今後も続く見込みです。

事例・トレンド・ユーザー体験談

実際に座席交換やカスタムを行ったユーザーからは、「強度証明書がなくて車検に不合格となった」「バケットシート装着時にディーラーで追加書類を求められた」などの声が多く聞かれます。

また、年式やグレードによっては、純正部品でなければ車検に通らないケースや、事前にディーラーや整備工場で適合の確認を行うことでトラブルを回避できたという実例もあります。

安全性と合格率を高めるためには、最新の法改正情報や実際の体験談を参考にし、事前準備を徹底することが重要です。車検前に気になる点があれば、専門家や整備工場に相談しておくと安心です。

よくある疑問・関連質問まとめ

車検時に座席を外すと通らない？

車検で座席を外したままにすると、原則として合格できません。乗車定員に含まれる座席やリアシートを外す場合、構造変更の手続きが必要です。正規の構造変更なしで座席を外していると「保安基準不適合」と判断され、検査に通らないことが多いです。特に商用バンやワゴン、軽自動車でもこのルールが厳格に適用されます。

車検時に荷物を積んでいても大丈夫？

検査時に車内やトランクに荷物があると、座席やシートベルトの検査ができない場合や基準に適合しているかの確認が妨げられることがあります。特に後部座席の荷物が多いと、座席の状態やシートベルトの装着確認ができず、検査官から荷物を降ろすよう指示されるケースもあります。荷物は事前に降ろしておくのが安全です。

車検は助手席に人が乗ってもいいですか？

基本的に車検の検査ライン通過時は、運転者以外は車両に乗車できません。助手席に人が乗っていると検査員の指示や検査作業の妨げになるため、トラブルの原因になることもあります。検査当日は必要な場合を除き、運転者のみで受検しましょう。

後部座席で寝るのは違反ですか？

停車中に後部座席で寝ること自体は違反ではありませんが、走行中に後部座席で寝ている場合は必ずシートベルトを装着する必要があります。シートベルトをしていない状態で事故に遭うと、重大な怪我や死亡事故につながるリスクが高まります。車検時にもシートベルトの装着・機能が重要視されるため、注意しましょう。

社外シートはどこまでOK？強度証明書は必須？

社外シートを装着する場合、保安基準に適合していることが必須です。バケットシートやレカロシートなどを取り付ける際は、強度証明書や適合証明書の提出が求められるケースが多く、証明書がない場合は車検に通らないことがあります。年式や車種によって条件が異なるため、事前に確認しましょう。

座席カバーだけでも不合格になることはある？

座席カバーが原因で車検に不合格となる場合があります。シートエアバッグの作動を妨げたり、シートベルトの受け部分を覆ってしまうと安全基準に適合しません。純正対応のカバーやエアバッグ非対応のものはとくに注意が必要です。カバーの素材や装着状態もチェックされるため、心配な場合は検査前に外しておきましょう。

バンやワゴンで座席を外してキャンプ仕様にした場合は？

バンやワゴンのリアシートを外して車中泊仕様にする場合、構造変更の手続きが必要です。無許可で座席を外すと車検に通らないばかりか、保険の適用外になるリスクも高まります。車両用途の変更や定員変更がある際は、必ずディーラーや専門業者に相談しましょう。

シートベルトを交換した場合の注意点は？

シートベルトを純正品以外に交換した場合、保安基準に適合していなければ車検に不合格となります。特にレーシングベルトや4点式・5点式ベルトは乗用車では認められないことが多いです。交換の際は、必ず適合品かどうかを確認し、検査前に正常に作動するかチェックしましょう。

乗車定員を減らすと維持費や保険料はどうなる？

乗車定員を減らすと自動車税や自賠責保険、任意保険の保険料が変わる場合があります。構造変更で正式に定員を減らした場合、車検証上の記載が変更され、保険会社への連絡も必要です。維持費や保険料が安くなるケースもあるため、詳細は保険会社や自治体で確認しましょう。

他の車種で流用した座席の注意点

他車種用の座席を流用する場合、シート取付け部の形状や強度、シートベルトの位置が適合しないと車検に不合格になることがあります。強度証明書や適合証明が必要な場合も多く、DIYでの装着はリスクが伴います。安全性と合格を両立させるため、必ず事前に適合性を確認し、必要な書類を準備しましょう。

会社概要

会社名・・・株式会社A.S.T
所在地・・・〒399-0704 長野県塩尻市広丘郷原1764-242
電話番号・・・090-8853-8716